たまに、お客様から
「気に入ったスーツと同じモノを作ってもらいたいんですが・・・」
という、お問い合わせを頂きます。
そんな時、ちょっと困ります。
正直に丁重に「お断り」するべきか、
調子良く嘘を付いて「金儲け!」に走るべきか(笑)
その理由は・・・

寸法は同じでもパターン(型紙)によって、出来上がりは変わってきます。
採寸はあくまで、ある点の計測でしかありません。
その点と点を結ぶのが線です。この線が、直線なのかカーブしているのか、
またそのカーブの強弱によって、全然違う服になります。

フルオーダーのプレステージラインなら、かなり近いモノは可能なのですが、
それでも「全く同じ」という訳にはいきません。
お気に入りのスーツを分解して、1パーツずつ型をとれば
見た目には可能です。
しかし、使う芯地や肩パッドや糸、
それらを縫い合わせるミシンや糸のテンションによっても
出来上がりの雰囲気は変わってきます。

ですから、スタイリッシュテーラーリング、『マッセ アトゥーラ』では
いい加減に「出来ますよ」なんて言わないで、
丁重にお断りさせて頂いております。
申し訳ありません・・・ごめんなさい。


既成のスーツを着ている人で以下のようなシルエットになる人には
オーダースーツはオススメです。

反身体型
<体が反り返った体型>・・・


1)上着の裾部分がおしりに張り付いたようになります
2)腰の部分にシワが出ます
3)体が反り、腕が後ろに逃げるため、袖の後ろ側にシワが出ます
☆一度鏡を見ながら試してみて下さい。同じようなシワが出るハズです
☆ 写真はこれらの問題を解決するためピンでつまんで補正しているところです


屈伸体型
<前かがみの体型>・・・


1)上体が前かがみになるため、上着の裾が引っ張り、はね上がります
2)上着のバストからワキ腹周辺にかけてシワが出ます
☆ご自身で上着を着て、前かがみになって試してみて下さい


打ち合い・・・


ボタンを留めずに、少し重なる位がベストです。
写真は、上着の前の打ち合いをチェックしています

(注)写真では小指が立っていますが立てる必要はありません


怒肩・・・

ツキじわ

1)肩先が上がっているため「ツキじわ」というシワが出ます。
  あまり格好のいいモノではありませんから、
  購入時には必ずチェックしましょう。
2)自分で見ると、体がネジれて、シワが出やすくなりますから、
  必ず真っすぐ正面を向いて誰かに見てもらいましょう。
  もちろん、オーダーではこのようなシワが出ないように採寸します。






スーツのフィッティングにおいて生命線と言われる程、
重要な部分がショルダーです。

1人1人の肩に合わせて自然美を作り出すため、
ショートメジャーで肩の回りを入念に計ります。
場合によってはカメラ撮影をして、工場と入念な打ち合わせを行います。



この写真は、おなかの出具合を計っています。
同じウエストでも、おなかの出ている人、
おなかは出ていないけどウエスト自体が大きい人。
人によって体型は様々です。