スーツをサイズダウンする場合、一から仕立てる時と同じようにはいきません。
アームホールなどにも大きく影響するし、ウエストを絞る場合も、
背中側は絞れても、お腹側は腰ポケットがあるので、かなり厄介です。
また今回のパンツのように、
ウエストの三方詰めはもちろん、ヒップ周りを詰めようとしても
尻グリ線だけでは間に合わず、横の縫い線(アイビキ)まで削る事になります。
これでは横幅は詰まっても、ほとんど縦方向は変わらないので、
お尻が納まる空間が縦長になってしまって、
履き心地を損なってしまいます。
いつも〝仕立て直し〟と言ってもいいくらい、
かなり大幅なサイズダウンや、リデザインもさせて頂いているのですが、
最初のバランス(シルエット)や着心地を気にされる方には、お勧めはしません。
今回はMさんとの詳細な打ち合わせの結果、作り替えとなりました。
ちなみにこの生地は、440gのへヴィーウェイトなアイリッシュリネンです。
今日は少し肌寒いですが、陽射しはすっかり春ですね。
そろそろスーツも入れ替えの時期でしょうか。
僕はいつも、「あまり意味もなくクリーニングには出さない方がいいですよ」って、
皆さんにお伝えしてますが、お手入れはどうされていますか?
クリーニングに出したい!という方に、ナチュラルクリーンを、ご紹介させて頂きます。
ドライクリーニングのように、薬品で洗うのではなく、
特殊な水で洗って下さるので環境にもいいし、働く人にも害はありません。
ドライでは、95%近くが残ると云われる汗なんかもスッキリ!
それにクリーニングに出すのが恐い最大の理由であるプレス技術についても、
服の顔をしっかり読んで下さるので、安心です。
最近、僕が出す時はずっとココだし、たくさんのお客様が出されています。
数年前にNHKで、その技術が紹介されていました。
ただし、、モヘア素材は要注意ですので、ご相談下さいね。
僕の大好きな一品をご紹介します。
京都のたん熊本家の〝お茶漬けうなぎ〟です。
これ、海外から帰ってきたら真っ先に食べたくなる物の1つです。
温かいご飯に、山椒醤油でジックリ煮込まれたうなぎをのせ、
熱い緑茶をかけて頂きます。
この緑茶がミソで、山椒の香りを引き立たせ、なんともまろやかな味に仕上げてくれます。
今日は時間がないので、こんな日のために撮り貯めている画像を使いました(笑)。
ちなみにたん熊と名の付くお店はあちこちにありますが、
名前に本家と付くのはこのお店だけです。
こんなパンチの効いたベルトを仕入れてしまいましたが、
とりあえずは、自分で使っています(笑)。
というか、最初からそのつもりだったりするんですけどね、、(爆)
何故か、お店(マッセアトゥーラ)以外で、「凄いですね」と
言われてしまいます(苦笑)。
それよりも、この革は何の革なのでしょうか、、
自分の持ち物で、分からないまま使うのは初めてです。
歳をとった証拠なのでしょうか(苦笑)。
今日はサプライズの連続でした、、
閑話休題!
その中で、今日お話した内容、生地の選び方から、、
自分がフィジカル系ハードワーカーなのに、イタリア製の150′Sなんかを選んでしまうと、
それは不幸の始まりで、「○○の生地って型崩れして最悪だよ!」ってなります。
でも月に1度だけ、単にビジュアル的に着る人にとっては、
その評価は、「身に纏わり付くようだ!」とか「綺麗なドレープだ!」という評価になりますし、
例えば、普段使いの車を求めている人がフェラーリに乗れば、
その評価は、「クラッチが重い」とか「乗り心地が悪い」に変わります。
そう、自分がどんなシチュエーションでその洋服を着ようとしているのか、です。
そして僕たちテーラーは、着手のそんなシチュエーションを汲み取り、
生地を提案してゆかなければなりません。
人それぞれ、求めているものは違いますし、必要としている物も違います。。
シーズンインに合わせて、お直しも増えています。
素材も仕立ても良いお洋服は、お直しをしてでも、長く着て頂けます。
そうすれば、買う時にも、本当に気に入った良質の物を選べるようになるのではないでしょうか。
消費的購買から、投資的な購買に考えを切り替えると、
長い目で考えて、逆に経済的かもしれません。
良いものを手に入れ、長く使う。
その方が精神的にも豊かだし、経済的でさえあると思います。
そのためにも〝長く使う〟ちょっとした知恵と工夫が必要になってきます。
僕たちテーラーは、洋服を売ることは手段であって、
最終的には、物を大切にする文化を皆さんに伝える事だと思っています。
今日のOさんのお直しスーツも、英国ハッダースフィールドの
イングリッシュオークミルズで〝手間暇かけて〟織られた 『ドブクロス』です。
画像のWool100%の生地は、表と裏とでは色が全く違います。
あまりにも素敵な表情をしているので、敢えて今回は裏側を使ってみます(笑)。
日本では余り人気はないようですが、LoroPianaの
セルジオ・ロロピアーナ社長も大好きな生地で、彼は1年を通じて週に1度は着ているとか。
6年程前にも出た生地なので、ご記憶に残っている方も多いのではないでしょうか?
とてもインパクトの強い生地ですからね、、
ただ、実際に裏側を使うとなると、
摩擦強度(擦れに対する強度)や堅牢度(染色された色の丈夫さ)の問題、
また、見た目にはネップ(節)があったりしますが、それでも敢えて裏側を使います(笑)。
裏側は、光の加減で玉虫の如く表情を変える素敵なブルーです。
こんな遊び感覚も、オーダーの醍醐味ですね♪
仕立てあがったら、改めてご紹介させて頂きますね!
マッセアトゥーラのシャツに使っているボタンは、天然の貝ボタン(3.5mm厚)です。
最近の技術の進歩で、限りなく天然に見えるイミテーションがあったり、
天然だけど、輝きの少ない高瀬貝(巻貝)がありますが、
やはり輝きでは、この白蝶貝(二枚貝)に適うものはなく、ギンギラギンです(笑)。
白蝶貝は真珠の母貝で真珠層を持ち、周辺部の緑・赤系を含んだ層と、
輝きの強い銀白色層があるせいで、深みの有る色(パール色)を醸し出します。
この輝きも、洗濯の方法次第では失われたりするので、ちょっとした注意が必要です。
酸性・アルカリ性を問わず、酸の強い洗剤を使わないようにして下さい。
やむ得ず使う場合でも、長く浸さないように。
その他の詳しい事は、お店では皆さんにお伝えしているのですが、
ここでは長くなるので、省略させて頂きます。
ちょっと知ってるだけで、ボタンだけでなく、シャツの持ちも全然変わります。
これは少し余談ですが、プロに任せる場合、
ボタンを外して水洗いし、洗い終わったら再度付けるという
クリーニング屋さんもあるのですが、
酸の問題さえ気を付けていれば、そこまで神経質になる必要はないと僕は思います。
確かに欠けたりするのを考えると、そりゃそこまですれば完璧ですけどね(苦笑)。
この週末、関東方面を廻った時に連れて行ってもらった埼玉県草加市の地蔵屋さん。
色々な面で、衝撃的でした(笑)。
料理のコストパフォーマンスと、大将の太っ腹ぶりには、かなり驚きました。
刺し盛りのウニも板に盛ったまま、1枚丸々出てくるんです(笑)。
出汁巻き卵も、なんと6玉!
ん?ボリュームだけか?と思われるかもしれませんが、味も最高!
海老なんかプリップリで、香港で受けた衝撃以来?
上野からだと北千住で東武線に乗り換えて30分弱の新田駅の駅前なので、
都内からでも、ちょっと足を伸ばしても行く価値は大!です。
といっても、この日も10人や16人の予約が入っており、
カウンターも満席状態なので、事前に予約が必要かもしれません。
僕も次回から出張の泊まりは草加市にします(笑)。