ヴィンテージの風合

今日は、以前ご紹介させて頂いたテイラー&ロッジの
ヴィンテージfabricで仕立てたスーツのお渡しがありました。

Kさんは、根っからの服好きで、
流行に流されない自分自身のスタイルをお持ちです。

私服姿のKさんから受ける、Kさんのイメージ像を持っていたのですが、
出来上がったスーツを見た瞬間、Kさんの匂いを感じました。
「これはきっと気に入って頂けるな♪」と、
こちらも、ご試着頂ける日を楽しみに待っていました。

真っ先に、朱っぽい色に目を奪われがちですが、
実際に見ると、とても落ち着いた色調で、「流石は当時の高級品!」
と思わせる雰囲気が漂っています。
太陽光が当たると、微妙に渋~く色が変わるんですよ。

シルエットも普遍的なものにして、
Kさんらしさを引き出すようなものにしました。
Kさん、ダイアリーネタのご協力ありがとうございました!




コメント / トラックバック 7 件

  1. seren より:

    柳瀬さん


    こんばんは。


    月末から新潟→滋賀→大阪と出張で先ほど東京に戻ってまいりました。出張の時は、なるべく打ち込みのしっかりしたスーツを着ていくようにしていますが、さすがに4日も同じスーツを着ているとへたりますね(特に肘と膝が。。。)。


    写真のスーツ、シルエットがいいですね~。とくにパンツの股上が美しい!股上の長さは難しいですね。私の場合、いろいろ思考錯誤して股上26cm、股下71.5cmに落ち着いたのですが、ある時、まったく同じ股上と股下なのに実際に着てみると、あるスーツはちょうどいいのに別のスーツはどうも短い(それぞれ別のテーラーで仕立てたものです)。静止しているときは、そうでもないのですが、特に歩いているとき、足を前に出した際に短く感じるんです。自分の歩いている姿を鏡で見る機会というのは、そうはないので気のせいかなぁと思いつつ、実際に測ってみると寸法は同じ。でも、やっぱり短く感じるんです。何故だろう?と不思議でしかたなかったです。


    柳瀬さん、原因は何だと思います?


    悩み続けて数ヶ月、ある時、パンツをプレスしていて気がつきました。原因は、ベルトループ。一方のパンツはパンツの上端からベルトループが縫い付けてあるのですが、別のパンツは上端から7mmほど下に間をあけて縫い付けてあるのです。どちらの仕様が正しいのか分かりませんが、いや~解決してよかった。


    ブレイシーズは持っているけど、怖くて一度も着けたことのないserenでした!

  2. masseatura より:



    serenさん、長らくのご出張お疲れ様でした!
    股上に関して、コメント頂きましてありがとうございます。
    今、家に帰ってきてからコメントを拝見しました。


    オーダーを生業としている僕にとって股上については、
    パンツを着用する人の骨盤の深さに合わせるべきと認識しています。


    serenさんの仰るベルトプール下がりに関しては、
    その下がり分量が、パンツ総丈からの差し引きとして、
    影響しているんじゃないかな?
    そんな風に思うのですが、如何ですか?


    ジャケットの鎌深と同じで、
    パンツのマーベルト以下、股シックまでの納まりに、
    無駄なゆとりが有るか無いかで、脚を一歩前に踏み出す時に、
    そのゆとりが邪魔をして、踏み出す事を窮屈に感じさせるかどうか、、


    もちろんserenさんの仰るように、同じ股上であっても、
    前股上と後ろ股上のバランスがあって、
    それをつなぐカーブにこそ違いがあると思います。


    定点での寸法が同じでも、その定点と定点とをつなぐカーブがどうか、、


    もっと言うと、線そのもののクオリティーの如何によって、
    履き心地までをも左右すると思うのですが、、


    一度、股上の同じパンツ同士を合わせて、
    その違いを比べてみて下さい。

  3. masseattura より:



    その7mmの差が、股上の無駄なゆとりとなり、
    脚を上げる時の妨げとなっているのではないでしょうか、、
    ですから、直接の原因は、ループ下がりではなくて、
    それを原因とする股上の差異だと思うのですが、如何ですか?

  4. seren より:

    柳瀬さん、解説ありがとうございました。


    >股上については、パンツを着用する人の骨盤の深さに合わせるべき
    骨盤の深さをどう測ればいいのか素人の私には不明ですが、適切な股上は原則、1つしかない、ということになりますか。。。


    >定点と定点とをつなぐカーブがどうか
    現状、2次元的な数字と穿き心地の間をいったりきたりしておりまして、カーブ云々はこれからの課題です。


    > 直接の原因は、ループ下がりではなくて、それを原因とする股上の差異


    まさにおっしゃるとおりでして、ループが下についている分股上が短くなっていたんです。股上が短いのにベルト位置を同じにして穿いていたわけですから裾が短くなったんですね。


    とりあえず、素人ながらたどり着いた(ベルトをする場合の)2つの結論は、
    (あくまでも私個人の場合です。人によりいろんな要素で違ってくるかもしれません。)


    1) パンツ丈は総丈で把握すべし
    2) 適切な股上は1つ


    少し前まで、股上を決めないで、股下の長さばかり気にしていたのですが、これではダメですね。また、股上浅め、、なんてのが流行っているので試してみると穿き心地に違和感があったり、結局ベルト位置はいつもの位置に収束してしまったり、、、失敗しました。


    一言でジャストフィットといっても、ジャケットに限らずパンツも奥が深いですね。時々、完璧な長さとシルエットでパンツを穿きこなしている人を見かけてハッとすることがありますが、まだまだ思考錯誤は続きそうです。。。


  5. masseattura より:



    serenさん、いつもありがとうございます。


    > 適切な股上は原則、1つしかない、ということになりますか


    いえ、そうとも限りません、説明不足でごめんなさい。
    デザイン的に股上を深くするような場合は、
    ヒップ周りや渡巾を、全体にゆとりをもたせれば、
    穿き辛いパンツにはならないですし、
    それも適切な股上という事になると思います。


    日本人が海外の方から不思議がられる行動の1つに、
    席を立った時にパンツをグイグイ上げる動作が挙げられますが、
    これは、その方のサイズやお好みに合ってないからだと思います。
    これは僕の経験上ですが、
    ・ウエストの位置を重視して(気にして)おられる方
    ・股シック部分の納まりを気にされる方
    に大きく分けられると思います。


    前者の方ですと、ウエストの位置が好みよりも低ければ、
    お尻が食い込んでいるのに、更に上げようとされますからね。(笑)


    人によって、お好みのパンツの履き心地は様々ですから、
    結局は〝オーダー〟でお作り頂くのですから、
    その部分もヒアリングによって、いかに穿き易いパンツを作るか、
    これが基本だと思っています。


    serenさんが心がけていらっしゃる〝パンツ丈は総丈で~〟は、
    殆どの方が股上を無視して股下寸法にこだわれる中、
    とても大切なことですね。
    僕も採寸時は、同じウエスト寸法の方でも、
    お客様によって股上を変えるので、
    パンツ総丈、そちらを重視しています。


    パンツって、ウエストと股下だけにとらわれがちですが、
    ほんとうに奥が深いです。

  6. seren より:

    柳瀬さん


    ご教示ありがとうございます。


    >これは僕の経験上ですが、
    >・ウエストの位置を重視して(気にして)おられる方
    >・股シック部分の納まりを気にされる方
    >に大きく分けられると思います。


    まさに目から鱗です。私の場合、両方のようでして、ウエスト位置が低いとなんとなく気になって引き上げたくなります。結局、収まりがいい位置は、腰骨の出っ張っているすぐ上あたりであることに気づきました。


    これでベルト位置が確定しますと、あとは股下が決まればいいんですが、その前に、股シックも穿き心地に影響しますね。確かに股シックのあたりがだぶついていると足を前に出しにくいですし(鎌の深さと同じ理論ですね)、タイトすぎてもいけないし。。。このあたりは、好みと穿き心地、デザインをどう調和させるかですね。


    パンツ丈については、


    「ベルト位置を決める」→「股上を決める」→「股下を決める」


    この手順でいけば、イメージするものに近いものが作れるのではないか、と思っています。


    >結局は〝オーダー〟でお作り頂くのですから、
    >その部分もヒアリングによって、いかに穿き易いパンツを作るか、


    う~ん、ヒアリングはあまり受けたことがないので、自分のイメージするものを作るのに何回も失敗しました。たとえば、ベルト位置を特定しないで、「パンツ丈はこのくらいでよろしいですか?」と聞かれても、素人としては「はぁ~、大丈夫です。。。」と答えるしかないですよね。仮縫いのときに、ベルトをつけるように言われたこともないし。。。


    Kさんのパンツ姿に感激して、「ヴィンテージの風合」と脈絡がない話になってしまいましたが、お許しください。


  7. masseattura より:



    > 結局、収まりがいい位置は、
    腰骨の出っ張っているすぐ上あたりであることに気づきました。


    そうですね~
    よほど浅い股上のパンツを希望されない限り、
    その位置でウエスト位置を合わせます。


    浅い股上を希望される場合には、
    ウエストを、そのウエスト位置に合った寸法に広げます。
    僕のように〝寸胴〟の方だと、困りものです。
    まぁ僕の場合、正直に〝メリット・デメリット〟は伝えますが。(爆)


    > 確かに股シックのあたりがだぶついていると
    > 足を前に出しにくいですし(鎌の深さと同じ理論ですね)、
    > タイトすぎてもいけないし。。。
    > このあたりは、好みと穿き心地、デザインを
    > どう調和させるかですね。


    まさしく!ですね。
    僕の考えを完璧に理解して下さってます。
    いいのかな?こんな場で、ここまで暴露しても!?
    いいんです、反論意見も多数あることだと思いますからね。
    でもそれでこそ、それがテーラーの個性なんですよね。
    同じ補正をするにも、テーラーの個性によって、
    補正方法が違うわけですから。
    それでこそ、エンドレス、、無駄の美学です。(笑)


    > 「ベルト位置を決める」→「股上を決める」→「股下を決める」


    もしかして、serenさんって、、
    僕、採寸させて頂いた事ってありますか?(爆)
    でも、仮縫いの時にベルトを付けた事がないのでしたら、、
    僕じゃないですね!(笑)


    Kさんの画像から、この展開、、
    いいですね、、どんどんお願いします。
    というか、思いを文章にする事が苦手な僕にとって、
    僕の言いたい事を、serenさんが翻訳して下さるから嬉しいです♪








Comment:

Trackback URL: