Sさんの色使いは、いつもパーファクトです。
隙がないというのではなく、ハズシ方までパーフェクト。
いつも勉強させて頂いています。
一朝一夕で身に付くものではない筈ですから、思い切ってSさんに聞いてみました。
色々と話を進めると、理由が見えてきました。
子供の頃から、日常的に着物を楽しまれるご家庭に育たれたそうです。

日本には、独特の〝侘び寂びの色彩文化〟があります。
天然染料(草木染)の色彩は限られるため、
同じ植物染料の濃淡で中間色を作り、
そこに侘び寂びの〝枯淡の美学〟が育まれてきたと考えられています。

どの日本人のDNAにも本来、
微妙な色を見分ける能力が流れていると思います。



今日のSさんの色彩は、まさ侘び寂びの感覚。
タイは、日本で最も古くから伝わる黄色と言われている「刈安色」で、
リバーシブルで組み合わせられる色は「萌黄色」です。
草木の秋色と春色という絶妙な組み合わせ!流石はエルメス!って、そんな事より、

このジャケットの色はまさしく「勿忘草色」です。
日本を代表する初夏の色です。
そして組み合わされるチーフの色は「練色」、これまた日本黄色の一種。

全体の色調としては落ち着いているのに、躍動感が感じられるのは、
黄と青という補色のせいだったのです。
言葉で説明する事が難しいくらい、絶妙な〝組み合わせ〟と〝ハズシ〟が存在します。

色のプロが説明すれば、もっと分かり易いんですけどね、、
僕も、もっと勉強しないといけませんね。(苦笑)



このモヘアトニック素材は、恐らく50年代後半に織られた生地です。
Sさんは、今までにもドーメルのスーパーブリオなど、
ビンテージの良質モヘア素材を着ていただいておりましたが、
その中でもこの生地は別格、個性炸裂です。
張り感と光沢感、、上手く伝わっているでしょうか!?
そんれにしても、タイトです。
この4年間、多少のデザイン調整はあるものの、シルエットは不変です。


裏地も、英国製の個性的な物から遊ばれました。


素材が硬いので、袖付けをナポリ仕立てにして頂いた事で、
より一層、軽い着心地を提供できました。


着るほどに馴染む、ハードな素材だからこそ、着込んで馴染む、、
愛でながら手入れをし、良い表情になって欲しいですね。
まるで、男の顔の皺のような生地です。

また、ひと言に紺色といっても際限なく存在しますが、
ペッパーリーのこのビンテージ素材は赤みが差し、極めて色っぽいです。



いつもダブルブレステッドをご注文くださるファンキーNさんのスーツです。
このスタイルは、元々は軍服の名残で、
風の進入を防ぐために前の打ち合い(被さり)を大きく取ったのです。
洋服って、軍服の流れを汲んだエピソードが多いですね。
説明、荒っぽ過ぎますか?(笑)


それにしてもビシッと絞られたシルエット、、
今まで皆さんが抱かれていたダブルのイメージとはかけ離れています。
ほとんど見なくなってから久しいので、新鮮ですよね。



フリッツ・ハンセンが不定期に刊行する雑誌〝REPUBLIC〟があります。
その最新号にフリッツ・ハンセン社のCEOヤコブ・ホルム氏のコメントがあります。

『変化が求められる時代だからこそ、やすらぎを。』

エッグチェアのオリジナルは、
建築家でもある、アルネ・ヤコブセン氏が1958年に、
コペンハーゲンにあるSASロイヤルホテル設計の際にデザインした椅子です。
なんとも「やすらぎ」を表現した〝リラックスポーズ〟ですね。


彼がスウェーデンのアイスホテルに泊まってきた体験をきっかけに
「やすらぎ」について書かれています。

日々の生活は多忙を極め、グローバル化は加速する一方。
絶えず変化していくことを求められ、
仕事とプライベートの境界も曖昧になっている。
このような時代だからこそ、自分なりのオアシスが欲しい。

その環境は、彼がアイスホテルで過ごした氷点下5℃の部屋にある
トナカイの毛皮の上で寛いだ時に感じた「やすらぎ」そのものだったそうです。
日々の生活の中で、どうやって安らぎを得るのか、、
また、そういった時間をどうやって作るのか、が必要です。

マッセアトゥーラは、というか僕は、、
皆さまのお陰で、日々寛がせて頂いてますけどね。(笑)
もちろん皆さまも、店内の名作椅子でお寛ぎ下さいマッセアトゥーラ!(爆)



今日、スポーツニッポンの取材がありました。
といっても、スポットライトはマッセアトゥーラではなく、
お客様のKさんにあたっています。
Kさん、ご協力ありがとうございました!
そして記者のHさん、ご取材ありがとうございます。
楽しみにしていますね!



ちなみに、画像は、、
Kさんが、今シーズンご注文下さったオレンジ色のジャケットです。
「ウキウキした気持ちになりたくって、、」だとか♪
綺麗な色です、大人しか着れませんね!



今日お渡しのTさん、出来てきたスーツを見るなり、
「スーツだけ見たら、エグゼクティブな雰囲気プンプンですよね!笑」と。
「仕事で世界最高品質の物を売っているから、クオリティーの低いもの、着れないですよね。」

さらに、Tさんが続けて仰ったのは、
「ブランドに頼らず、自分基準でクオリティーの高いものを持ちたいですよね、、」
「中途半端なお金のかけ方をせず、メリハリのある使い方を、、」
「少しづつ、良いものを買い揃えてゆきたい。」

今まで仕立てて頂いた何着ものスーツ、
いつも、決して主張するスーツを好まれないTさんですが、
クオリティーの高い生地を、クオリティーの高いライン(シルエット)で仕立てているので、
見る目を持った方には、十分主張するスーツになっていますよ。(笑)
もちろん、主張の意味合いは全く違いますけどね。



これって昨日の話題と共通しますよね。
でも確実に、ここ数年でスーツに対する意識が変わってきているように思います。
制服スーツから、本来のスタイルに、、スーツの復権です。

Tさん、7月のアメリカ出張、、
今回のスーツで、バシッと決めてきて下さい。
これまた写真を撮らせて頂くのを忘れたので、Yさんのスーツで失礼します。(笑)



今日採寸をさせて頂いた2人の方のお話です。

働き出して、今までずっとオーダーされてきたと仰るTさんですが、
仕事で目上の方と接する機会が増え、改めてスーツに対して気になりだされたそうです。

最近、Tさんのように〝おしゃれをする為〟ではなく、
相手に礼を尽くす意味でスーツを考えられる方が増えてきたように思います。
年齢も、30歳を越えた辺りの方が多いです。

スーツで主張するのではなく、
相手に失礼のないようにきっちりスーツを着たい。
マッセアトゥーラのブログを見て、この店ならそんなスーツを作ってくれそう。
だから、、「トータルで教えて下さい!」そんな風に言われると、
ついつい、ハッスルハッスル♪です。(笑)
まぁ、いつもですけど。(爆)
それよりも、そんな機会にマッセアトゥーラを選んでもらって光栄です!

Tさんのこのような、こんな考えを持った若い世代の方が、どんどん増えれば、
日本の将来、巷に溢れている〝制服スーツ〟は無くなりますね♪

「スーツは仕事着だから」とか、「人間中身だから」と仰る方が多いですが、
そう言うのって、言い訳っぽく聞こえるのは僕だけでしょうか?


※ちなみに、画像のスーツはTさんとは関係ありません。



このフローティングペン、見覚えありませんか?
温泉地で有名なヌードペン、です。(笑)
企業の販促用として、1930年代にアメリカで原型が発明され、
その後、デンマークのエスケセン社が画期的な技術で一気に広めたそうです。
もしもお手元に、このフローティングペンがあれば、見てみて下さい。
多分、MADE IN DENMARKって書かれているはずです。







タイヤをモチーフにしたビバンダム
もうすぐ生誕110年を迎える、ミシュランのマスコットです。
世界で最も古いマスコットと言われています。
特に意味はないですが、僕の車もバイクも自転車も、、
ぜ~んぶ、ミシュランです。(笑)



今日、ご来店下さった東京のHさん、
ちょっとふざけた軍パンを着て来られました。


ほら~(爆)


でも、どうしてペンギンなんでしょうね!?
理由を聞いて、大爆笑!(笑)
その理由が分かった方は、ブランドからの粗品を期待して下さい。(爆)