フィッティングプロセス

Wさんから頂いたメールを読んでみて下さい。
下記の文章はWさんが目にされた記事だそうで、それに対する返事は、
僕が以前、この場で書いた内容を添付させて頂きました。

>> ミラノにあるSartoriaのY氏のアトリエを訪れたことがある。
>> Y氏によると、所謂サルト(仕立職人)は仕立てには精通しているが、
>> フィッティングに関しては、全てのノウハウを持ちえているわけではないと断言していた。
>> 良い仕立て職人が、必ずよいフィッティングをできるかというとそうではないようだ。
>> フィッティングプロセスの重要性をF氏も強く言っていた。
>>
>> そうなると、フィッターというファンクションが非常に大事になる。
>> フィッターは言わばオーケストラの指揮者のようで、
>> それぞれの名ソリストの持ち味を引き出し、
>> 全体の音を纏め上げる。
>>
>> コスタンティーノ・プンツォ(フィッター)とフェリーチェ・ビゾーネ(サルト)は、
>> 仮縫いの際に意見の相違で相当暑い議論を交わしている。
>> 仕立側からみた限界に対して、
>> 更に高い要求を出すフィッターの意見が衝突しているが、
>> お互いより良い物を作りたいという情熱からか、
>> 最後はサルトの方もフィッターの意見を受け入れて何とかしてみよということになる。
>>
>> コスタンティーノがフィッターとして世に出てきた際に、
>> サルトでもない彼が、
>> 上手なフィッティングができる訳が無いと叩かれたこともあったが、
>> それは、あまりにも乱暴な意見だ。
>>
>> フィッター自身が仕立のことをすべて知ってしまったら、
>> それこそ仕立ての限界も知ることになり、高い要求が出せなくなる。
>> コスタンティーノとフェリーチェが互いに良いコンビとして成り立っているのは、
>> コスタンティーノの感性と哲学に基づいた、フィッティングへの非常に高い要求レベルが、
>> フィリーチェの職人魂に火をつけ、
>> 最善のものを生み出す結果となっているのだろう

最近、日本でも建築家の先生に依頼する施主が増えていますが、
彼らのポジションと似ていると思いませんか?
大工さんが建てる家と、建築家によって設計されて、
それを大工さんが建てる家は、、
適うなら、両方の才能を手に入れたいですね。(苦笑)

話題はそれますが、、建築家と設計家、、
前者は作家的な性質が強く、後者はあくまで施主の意見を昇華させ、
プロとしてカタチにする。
僕はビスポーク、もちろん後者志望です。(笑)



コメント / トラックバック 3 件

  1. ROB より:

    以前パリから問い合わせさせて頂いたり、
    ROBのハンドルネームでブログに書き込ませて頂いたりしていました。
    7月3日「フィッティングプロセス」のブログを見て驚きました。
    実はこの文章はあるサイトで私が書いたブログです。
    フィッターの強い情熱は常に職人の魂を動かすようですね。
    コスタンティーノにはスーツやジャケットを何着か作ってもらいましたが、
    そのシーンを毎回目の当りにさせられます。情熱は不可能を可能にするようですね。
    オーダーする側、フィッター、仕立職人のそれぞれの情熱が最高のものを生み出すだと思います。

  2. masseattura より:

    ROBさん、お久しぶりです。
    こんなカタチで、この場で再会できるとは!
    実際に経験された方のコメント、、真実味を感じます。
    僕がこの文章をメールで頂いた時、
    どこかの雑誌社のライターさんが書いたと思っていたんです。
    経験してない事を、よくもここまでリアルに書けるんだなぁ、流石はプロ!なんて。
    それくらいこの文章は、日々そればかりを考えている僕に対しても、
    相当のリアリティーを持って迫ってきたんです。
    これ、ROBさんの体験談だったんですね。
    それにコメントの書き込みまで、、ありがとうございます。
    Wさんから頂いた文章の書き手に直接ご登場頂けてリアルになりました!
    こういう体験談、うれしいです。
    今後も書き込み、是非是非お願いしたいです♪

  3. masseattura より:

    もしかして、sartinoさん、、
    ROBさんと面識あったりするのかな?(笑)
    sartinoさんとはこの前のミラノでも、思わぬつながりが、、

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