先日〝10年着られた洋服を紹介〟なんて書いたのですが、
まさに今日、Kさんから頂いたお洋服がそれです。
8年前に、Kさんからオーダーを頂き、
四季を通じて着ておられたので、何と!季節物の16年にあたります。
1着手と共に思い出を重ねてきた洋服。
この生地は、ロロ・ピアーナのギャバドリームですが、
生地のセレクト次第では、もしかして倍は着続けられるかもしれません。
それにしても、ここまで使って頂けたら洋服も本望ですね。
ドライクリーニングは極力避け、Kさんは水洗いにこだわってこられました。
流石にここまで薄破れすると、他にも同じような箇所が幾つもあります、、お疲れ様でした。
というよりKさん!ここまで大切に着て頂いて、心から、ありがとうございました!!
以前ご紹介させて頂きました、ヴィンテージドーメルのダブルクロスです。
ダブルクロス独特の、膨らみのある表情に仕上がりました。
Tさんのオーダーはいつも個性的なものばかり。
パンツ裾の内側の補強布である靴ズレには、
せっかくですので、セルビッジ(生地の耳の部分)を使いました。
4年ほど前に手に入れて以来、何度も読み返しているこの本は、
建築家が設計した24軒が紹介されています。
どの家も手を入れながら、30年前後も住まい続けられている個人住宅で、
住み手が登場し、その歴史をそれぞれに語っておられます。
どの家も目新しいデザイン性を狙ったりせず、住み手の気持ちに立った配慮がうかがえます。
そしてどの家も、住み手に愛され、手入れされ、大切に住まい継がれている家です。
そして、この本を読んでいると、
住み手が、その家を大切にする気持ちによって、
家ってこれほど素晴らしいものになるんだなって満足感が沸き立ってきます。
マッセアトゥーラも、出来たばかりの洋服より、お客様が10年間着続けて下さった、
そんな洋服を話題にされるような、服つくりをしなければって思います。
出来たばかりの洋服が完成ではなく、着手が着ることで、
その洋服は、熟成され完成するような洋服。
もちろんそればかりではなく、
必要とする方には、今を輝く〝衣装〟をお作りする事も大切です。
望まれた洋服を、洋服屋として、幅広く深く作るポテンシャルを身に付けなければ。
1年前にお願いしていた〝6プライ〟のジャケットの仮縫い風景です。
最初の予定では、今年の年初のイタリア出張の際に仮縫いしてもらう予定でしたが、
急遽、僕の予定を変えなくてはならず、今に至りました。
希望通りの逃げ感になっていますね。
仮縫い時(採寸の時)はナチュラルな姿勢で、
なんて、僕もいつも皆さまにお願いしているのですが、
そうは言っても、僕自身、中々どれが自然なのか分かりません。(苦笑)
この6プライ地は、ローマのマーチャントが英国のEウッドハウスにオーダーしたものです。
このメランジェ調の表情が絶妙なのですが、いっそ完全な無地の方が、
生地の特性からすると、似合うのか微妙です。(苦笑)
滞在中に2度目の仮縫い、楽しみです♪
この洋服創りで、『出来上がりをイメージして洋服を作る!』を楽しませてもらってます。
人に着られて、その人らしい顔つきになってこそ、オーダー服ですね。
今日も楽しかった。。またまた勉強させてもらいました。
仕立て上れば改めて紹介させて下さい!
、、1年後の予定です。(笑)
かれこれ、5年近くお付き合いを下さってるN女史のお友達が、
ご実家近くで、お洋服屋さんをされているという事は前々から伺っていたことです。
Nさんが着られているそのお洋服の感性がとても高いので、今までずっと気になっていました。
つい先日の話の流れで、作っていらっしゃる方のお名前が判りました。
Nさん、「確かキタさんって言わはったと思うけど~」と。
大阪で「キタさん」ってお名前の若手テーラーさんはいらっしゃらないハズなんだけど、、
あれ?ん!? もしかして!!「喜多さんですか?」、「まさか、、」
これは驚きでした、あの伝説の喜多さん?まさか。
僕にとっては伝説的なお方なのです。
ってか、多分、業界でも、、
下の画像、喜多さんのお隣の女性は、そのN女史のお友達で、
和歌山県の那智勝浦にあるニッポンの名店、isasazicon(イササジコン)の洋子さんです。
isasaziconさんでは、喜多さんとのコラボ物をお取り扱いされています。
Nさんが着ておられたお洋服は、それだったんです。
昨夜Nさんからお誘い頂き、皆さんと楽しい時間をご一緒させて頂きながら、
今日もまた、散々話をさせて頂いてから、帰られる間際に写真を撮らせて頂きました。
ちょっと硬かったので?
僕の変な顔を見て、笑って頂きました!(笑)
喜多さん、洋子さん、今度打ち合わせを兼ねてisasaziconまで、
カードの限度額を引き上げて?伺いますので、宜しくお願い致しまーす。(笑)
Nさん!こんな出逢いを頂き、ありがとうございます!更々なる発展を期待して下さいね!
今年のマッセアトゥーラのベストセラーモデル!
E・ゼニアのBEST(内蒙古産カシミア100%)のジャケットです。
画像は今季ご注文頂いた8着のうちの1着、
10年来のお付き合いを頂いている京都のMさん分です。
カンクリーニのライトブルーのコットンフランネル素材のBDシャツと、
ライトウエイトミディアムグレーフランネルのパンツも同時にご注文下さいました。
66歳になられるMさんは、これを着られ、きっと祇園の街に消えていかれる事でしょう。(笑)
Mさんのような、粋なオ・ヤ・ジには、ホント憧れます!
願わくば実際に着て頂き、Mさんにご登場頂きたかったのですが、
「祇園で顔が差すとアカンさかいなぁ~」と、これまた粋なお断りを頂きました。(爆)
画像のご協力を頂けただけでも感謝いたします。
Mさん、どうもありがとうございました!
期待していた僕のジャケットの仮縫です。
背中にゴムが入ってるかと思うほど伸びる感覚で腕が前に回るのに、
シッカリとバストのドレープは出ていて、英国の洋服にイタリアの着心地が乗り移ったみたい。
色々と検証してもらって、実際に僕の洋服で試してみる事に。
生地は、52番手2プライ390gの『Savile Row Yarn Count』を使っています。
今回のプロジェクトには申し分のない生地です。
しっかり躾をかけてもらって(通常の倍!?)かなり出来上がりを期待させるアームの収まり。
明らかに、躾けの甘さからくるものじゃない着用感をイメージできます。
若手職人、期待の星Sさんが仮縫いを担当してくれました。
カ・ナ・リ、ビタッと入って気持ちイイ~♪
なるほど、カ・ナ・リ、微妙な塩梅でアームホールも決まってました!
パンツの仮縫いは、これまた期待の新人Nさんが担当。
足が前に出るパンツ、が僕からの注文です。
かれも、カ・ナ・リ、期待です!
寸法的には、あり得ない?寸法で収まっています。
無駄な〝ゆとり〟は一切ありません。
今回の洋服には、今後の色々な思いが詰まっているだけに、
出来上がりまで、そして出来上がってからも、たくさんの楽しみがあります。
これから徐々に紹介させて頂きますが、全てが実現できたら、業界の常識を塗り替えるかも!?
後継者育成の一環として、かなりシビアに消費者目線で臨むので、
気合を入れて頑張って下さいね、、色々な思い(夢)の詰まったプロジェクトですから。
Sさん!ディレクション、宜しくお願い致しまーす♪
先日、コルノの意味で、魔除けネタが出てきた流れに身を任せ(笑)、
これも、、プルチネッラという魔除けだそうです。
コジモ氏から貰ったお土産です。
プルチネッラについて、ナポリのカチョッポリのコジモ氏から聞いた話だと、
彼は道化者の1人だそうで、道化とは振る舞いの奇妙さなどから、
悪魔の眼を遠ざける魔除けの力を持っているとか。。
道化を日本的に言うとピエロになるわけですが、
ピエロ(ペドロリーノ)は16世紀のイタリアで生まれた仮面喜劇である
コッメディア・デラルテ(Commedia dell’arte) の登場人物の1人だと言われています。
プルチネッラも、その仮面喜劇の登場人物の1人なのですが、
どうして、多くの登場人物の中でプルチネッラだけが魔除けになったのか、
それは恐らく、プルチネッラの出身が、ナポリだと言い伝えられているからだと思います。
これは僕の推測に過ぎませんが、恐らく調べてみると、
そこに行き着くのではないか、、詳しい方がいらっしゃれば是非教えて下さいね。
ちなみにコッメディア・デラルテの他の登場人物(道化師)は、
アルレッキーノ、スカラムッチャ、ブリゲッラ、パンタローネ、他があり、
ついでにピエロについては、イタリアでペドロリーノのキャラがフランスに渡り、
モリエールの戯曲『ドン・ジュアン』で間抜けな百姓役に変わったと言い伝えられています。
かなり荒っぽいまとめ方でしたが、専門的な知識がないので、この程度でごめんなさい。
昨日のダイアリーで、スーツよりもタイ!のお問い合わせを頂きました。(汗)
あのマリネッラのタイはKさんの私物ですが、マッセアトゥーラで取り扱っているのは、
同じコルノ(赤唐辛子)モチーフ(刺繍)でも、こちらはナポリのクラバッテリア、E.G.カペッリです。
赤いものはナポリの魔除けらしく、赤唐辛子はその代表のようです。
この日のダイアリーでも、当初〝コルノ=角〟って書いて、
何通かのお問い合わせを頂いたので、以下、加筆させて頂くことにします。
本来イタリア語でcornoとは角材を意味し、
幸運のラッキーアイテム赤唐辛子が、コルノに似ていることからそう呼ばれているようですが、
以前、カチョッポリのコジモ氏に聞いた時にも、明確な回答は得られませんでした。
正確な事をご存知の方がいらっしゃれば、教えて下さい。(汗)
机上の知識より、自分の経験が優先されるべきでしょうか?
う~ん、やっぱりナポリじゃ、家の軒先に赤唐辛子が吊るされている。
いや、もしかして軒先の赤唐辛子は、単に食べるために乾燥させてるだけ!?
となると、やはり〝corno=角〟なのか、、やっぱりラビリンス入り、今夜は眠れません。
『E.G.CAPPELLI NAPOLI』
カッペッリと読むのか、、みんなカペッリって言ってるけど。。
他にも、噴火しているヴェスヴィオ火山の刺繍があったり、王冠の刺繍があったり、
ご自身の好きなマークを刺繍してもらう事も可能です。