9年前にご注文頂いたロロ・ピアーナのカシミア10%混フランネルのスーツです。
Kさんは、このスタイルばかり6着ほどご注文頂いたのですが、
それ以前の物と比べるとタイトなスーツでした。
それ以降ここ5年、さらにタイトなシルエットを着ていらっしゃったのですが、
この冬からまた、こちらの方が落ち着くとの事で、復活させて着て下さっています。
それでも若干、肩巾が広めなので、今シーズンが終わったら調整しましょう!ということに。
プレスが巧くいってなくて、ラペルの返りが不自然にペタンとしています。
それにしても、この色(濃茶)は、いつ見ても素敵です。
タイトフィットも、スポーティーで若々しくスタイリッシュですが、
程よくドレープの効いた、ジャストフィットなお洋服は、
着ている人に落ち着きを与える、品格のある〝紳士服〟と言えるでしょうね。
なので、逆にタイトフィットのスーツを、少し広げましょう!
と云う事で、近々お持ち下さいます。
今日もゴム入り?ジャケットについて、、
両袖検証から日も浅く、今朝またまたミーティングしました。
今回の物創り思想(洗練されたプレタの感性にテーラーの着用感を融合)が、
どこまで今回のジャケットに落としこめるか、です。
今回の型紙(袖)だけで何枚あるのやら、、でも全てに意味があるんです。
アームホールの形は、見た目にそう大きな影響はありませんが、
袖は見える部分なので、見た目と着用感のバランスが
どちらも譲れない部分だけに悩まされます。
どちらもが中途半端にならないように、両者を高次元で融合する必要がありますね。
そうして出来てきた袖が、次は、
アームホールに付くのかどうかも重要です。
腕の良い職人さんなら、その技量でどうにでも付けるでしょうが、
そうやって感覚だけに頼ってしまうと、将来この技術は絶えてしまいますから、
それを幾何学的に検証し、法則化しておくことも大切だと考えています。
これは開店当初からマッセアトゥーラが目指してきた、
CADによるフルオーダーフィッティング、
その考えと全く同じです。
次の画像は、名パタンナーであるMさんが縫われたレディースのテーラードジャケット。
それも、単なるテーラードではなく、新たな工夫が随所に見て取れるもの。
以前はレディースのプレタも手がけられていた1級技能士のSさん、
それを「面白いな~」と興味深く見入っておられました。
この服、接着芯を使っているのに、丸いんです。
前肩もシッカリ入って、襟も昇ってます。
もちろん袖付けは今回の考え方。
このジャケットを、自信をもってお勧めできるようになり、
そしてさらにそこから、クラシコOSAKAとして発信できるようになれば、
この業界の後継者育成も、あとは皆さまからご指名を頂けるようになれば安泰ですね。
先日、ゴム入り?ジャケットの3回目の仮縫い(中縫)をしたのですが、
アームホールと袖の形状から、着用感を検証する為に、
左右で違う袖を付けてもらいました。(笑)
着用感を検証したあと、袖を外してみました。
アームホールの形状は同じですが、袖の設計が異なります。
寸法で云うと、僅か数センチのことなのですが、
ラインも違うし、着用感も違います。それぞれの特長があって面白いですね。
次は下袖と上袖を組み替えて、更にバランスをとってみましょうか♪
僕は云うだけですが、皆さんは大変だと思います。でも楽しんで(遊んで!)下さってます。
こんな皆さんに出会えて、本当に嬉しいです。サイコー!
Sさんは、今までkitonやブリオーニ、トムフォード、他にも色々とバラしておられます。
その中で今回は、イタリアと英国の融合!みたいな事を進めています。
これぞまさにコピーではなく、Made in JAPAN 、日本発です。
まさに『日本人に合う、日本人のためのスーツ』です。
肩凝りしませんか?と伺うと「結構ひどくて、月に何度か針に通っています。」との事。
お修理を依頼している工房の代表、Kさんとのやりとりです。
そんな経緯から、Kさんご自身のお直しをすることになりました(笑。
お直しというより『着心地チューンナップ』です!
見た目では、何となく「おかしいな」と思っておられたKさんですが、
その着用感までは、気付いておられなかったようです。
洋服の着用感って、見た目で分からないレベルでも、
着比べると、ほぼ皆さん気付かれます。
肩周りに細工を加えてやる事で、かなり変わります(軽くなる)。
日本車の乗り味しかしらないと、
その中で、レベルを比較をするだけになりますが、
欧州車の乗り味を知ると、乗り味に対する感覚が〝別次元〟になります。
同じく、化学調味料の味しか知らない人が天然の旨味を知ると、
味覚に対する土俵が〝別次元〟に生まれ変わります。
もちろん好き嫌いはありますが、両者を知って好みを語るのと、
片方だけしか知らずして、好みを語るのとでは、両者に大きな違いがあると思います。
それはユーザーが知らないだけではなく、
僕たちプロ側が伝えきれていない部分でもあるんですよね(汗。
Kさんから頂いた「もっと皆さんに知って欲しいですね♪」というお言葉は、
とてもありがたい!というか、とても心強くなりました。
だってKさんは今まで「こんなことして意味あるの?」って言われてましたから(汗。
今回のお修理は、いつも
要望に応えて頂いているKさんご自身が
着心地チューンナップを体験されることで、今後の更なる技術力アップに
つなげていこう!という目論見もあるので、なお更です。
Kさん、楽しみにしていて下さいね!!
今日お越しのNさんは、事前にご来店のメールご連絡を頂いていたそうなんですが、
そのメールは、マッセアトゥーラには届いてなかったのです。
最近、ビジネスソリューション関係等の売込メール(迷惑メール)が多くなって、
一定のレベルで、メールブロックをかけているのですが、
そのせいで、何かしらのトラブルが発生しているかもしれません。
たまたまNさんの場合、状況が分かっただけで、
もしかしたら他に、そのままになっているケースがあるかもしれません。
いずれにせよ今後、そのせいでお客さまにご迷惑をかけないようにするため、
もし頂いたメールに対して2日以内に返事を差し上げなければ、
当方にメールが届いてない可能性が大きいです。
皆さま、今後このような事が起きないように、早急に対策を考えさせて頂きます。
また顧客の皆さまにつきましては、直接お電話を頂けると助かります。
Nさん、今日はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
宝石のように輝く、ウェービングカシミア。
表面が、ウロコ状(波型に表面加工されたもの)に加工されています。
年末にサイズオーダーしていたものが、やっと届きました。
この素材を見ると、「普段見かける高級マフラーも同じカシミア?」です。
これぞカシミアの真骨頂です。恐らく、いや確実に、、他のマフラーは巻けなくなるでしょう。
最初は期待値以下の着用感でしたが(汗)、
ガンガン穿き込んでいくにつれ、驚くほど馴染んできました。
ホールド感に優れたウエスト~ヒップに加え、脚が前に出るという不思議な感覚。
ス・ミズーラで、股上を骨盤の深さに合わせてもらったので尚更です。
そして脚部のフィット感は、どこか一ヶ所にテンションがかかる、、
そんな感じではなくて、全体にホールド性を感じる、
という感覚が、実に心地がいいのです。
ヒップの収まりも綺麗で、見た目にもとてもセクシーです♪
ポケットの袋地と、シーム(股下部分の外と内側の縫い線)以外、
全て手縫いで処理されており、最初に穿いた時より、穿き続けていくうちに、
皮膚感覚に馴染み、そのちょっとした縫いの甘さが、実に快適な着用感を生むようです。
この感覚は、まさに手縫い洋服の特長そのものです。
ヒップ周りの型紙も特徴的で、その着用感に寄与しているようですね。
ミシンで縫い上げると、糸のテンションで、生きている生地の動きを押さえこんでしまいます。
特にヒップの縫い線は顕著に差が現れ、太目の糸で甘く返し縫いすることで、
柔らかさと強度(耐久性)を、絶妙に両立させています。
それと、裁断にも驚きの工夫があります!
これは、マッセアトゥーラ立ち上げ当初から商品紹介のところでも紹介しているように、
上着の縫い目の総ステッチ(片倒し)は、単なる装飾ではなく、
本来は意味があるもの、それと同義ですね。
ただ片倒しに意味があるといっても、そこはナポリ製。
過剰なまでのハンドステッチや閂が、好き嫌いの分かれるところで、
見慣れた方じゃなかったら、汚い?というか、僕はその泥臭さが好きだったりしますが。
ただし僕ならオンじゃなく、TPOは、あくまで普段穿き(オフ)として着用します。
このパンツについては、どんな言葉で飾り立てるより、
実際に体感してもらう事が何より勝ります。
..Wearing is believing !
ゴム入り?ジャケットの再仮縫いです。
予想以上というか、かなり更に、前回よりレベルアップ。
この着用感を、誰にでも安定してリピート供給し続ける事ができれば、、
方法は検討済み、果たして技術的に可能かどうか。
ということで、アームホールを徹底検証!
数々のアパレルのパターンを担当され、多くの雑誌にも
その洋服(スーツ)が掲載されている技術者のMさんに、「初めてです。」
と言わせたアームホールと袖の形状を数値解析し、規則化してもらう事が次の課題です。
Mさん、そしてSさん、次回が楽しみです、宜しくお願いしますね♪
この画像だけ見ても、「何のこっちゃ?」ですね。(笑)
袖を外してみると、それでも更に改善の余地がある事が判明!
僕はただ、お客様を代表して〝プロの目〟を通して言いたい放題です。
Sさん、Mさん、ご苦労かけますが、世界中のお客様代表?の意見として受け止めて下さいね。
※ゴージライン、、綺麗な弧を描いています。
新しい技術を取り入れ、チャレンジする、、
こんな情熱的なまでに積極的な職人さんに出逢えて最高です!
ほんと、大先生であるSさんやMさんご自身も、楽しんで下さっているので嬉しいです♪
あとは、この1着目でどこまで色気が出せるかどうか、、
最終的に幾ら着用感が良くても、そこが欠けてしまうと致命的ですからね。
明けましておめでとうございます。
今年は、予定している計画だけでも忙しくなりそう。
日々の創作活動(スーツ創り)も、今までと変わらず、ノリノリです♪
おまけに、今年で、マッセアトゥーラは10周年を迎えますから、さらにウキウキです。
1998年以降、この10年間の大きなムーヴメントに終止符が打たれ、新たな時代の幕開け!
世間では、「不景気だ、世界恐慌だ!」と騒がれていますが、
そんなことウダウダ言っても始まりません。。
10年前を振り返ってみると、、
最悪だ!日本も終わりだ!なんて言われていた時代ですが、
超成長(優良)企業が産声を上げた時でした。
今の状況を真摯に受け止めながら、
予定している計画を、攻めて攻めて攻めまくります♪
そんなこんなで皆さま、「今年も相も変わらず、宜しくお願いします。」