Tさんから「台場って何であるの?」と、ご質問頂きました。
たまに〝型崩れ防止〟とか〝胸のボリュームを形成する為〟なんて聞きますが、
それって、ホントですか!?(苦笑)
真実を確かめる為に、
同じ生地で、〝台場がある物〟と〝ない物〟を2着作って試してみようかな?なんて(笑)。
そこで僕なりの回答としては、次のような内容になります。
内ポケット周囲を共地にしておくと、裏地が傷んだ時に張り替え易いんです。
でも台場は、使い捨ての既製服には単なる飾りでしかありませんし、
仕立てを見れば直ぐに解りますが、
例えオーダーであっても、今の台場のほとんどは飾りです。
それに、「裏地が傷む前に、先に生地が傷むんちゃうの?」なんて思いませんか?
確かに、今のスーパー120′S以上の生地なんかだと、そうなりかねません。
昔の英国製の80′Sなんかの生地でこそ、
意味のある仕様です。
でももし、80′Sなんかの生地を使ったとしても、
今では、実際には機能を考えて作られたものは少ないので、
これまた意味を成しません。
いずれにせよ現在の台場は、ほとんど装飾的なディーテールだと言えます。
ちなみに、、、
画像を見ていただくと分かりますが、マッセアトゥーラの角台場は
切り剥ぎせずに、1枚物を使っています。
装飾性を求めるなら、とことん見栄えにこだわって贅沢に。
でも、微妙なシルエットを求めるなら、
台場無しか、もしくは切り剥ぎを入れた方がいいです。
今日は日曜日ですが、特別更新です(笑)。
今朝ご来店頂いた、Oさんのレザージャケットはゴージも高く、
いつものシングル3Bの中1B掛けのジャケットスタイルを踏襲してあります。
サイドベンツも同じ深さ、袖口も当然!本切羽です(笑)。
当然ながら、フィッティングも最高です♪
このジャケットについては未だ極秘情報ですので、詳しくは直接お問い合わせ下さい。
この場では、未だ公表できません(爆)。
Oさん、いつも長い道のり朝早くからありがとうございます。
それと次の生地、お目当てが在庫切れで申し訳ありませんでした、、
また探して連絡させて頂きますのでお時間下さいね。
ここ2年程前から、ジャケットのラペル巾の指定に新たな傾向が見えています。
6cm台から11cm台まで、バラエティーに富んでいるんです(笑)。
それも、ワイドかナローのどちらかに偏る傾向があります。
もちろんクラシックと云われている9センチ前後のご注文も半分近くを占めてはいます。
また、ワイドラペルをご指定下さる時は70年代を意識し、
フレアーパンツを提案させて頂くと、ご希望になられる方も多いです。
肩巾や胸囲とのバランスはもちろんの事、
Vゾーンの深さ、ゴージの高さや角度との兼ね合いも考えないといけないので、
結構大変ですけれど、スーツ創りが多様性を増し、
流行に関係なく自分の価値観をしっかり持たれた方が増えてきた事は、
とても嬉しく、僕としても色々なスタイルを創らせてもらえるので、ホント楽しいですね♪
画像は胸囲実寸106cm、肩巾46.5cmの方で、8.7cm巾ご指定ですから、
ゴージラインやバスト巾からすると、少しナロー気味ですが、
これ位なら逆に流行に関係なくスッキリ着て頂ける、程よいバランスだと思います。
前立てボタンフライのパンチェリーナ仕立てです。
前立ての釦だけは薄いものを使った方がアタリを感じず着用感が良いと思うのですが、
見栄え(誰に見せるの?笑)で考えれば共釦の方が、、、
結局、今回は他と同じ14mmのホーンボタンを使いましたが、
皆さまは、どう思われますか?
ちなみにボタンフライは、クラシックな仕様とされていて、
今でも根強いファンはいらっしゃいますが、
昔、ジッパーの技術がなかった時代に仕方なしにボタンフライだったのです。
そう、リーバイスの501が〝シュリンクtoフィット〟と云って、
洗って縮んで馴染ませる生地を使っているので、
先にジッパーを付けてしまうと、洗ってからジッパーが上がらなくなってしまうから、
仕方なくボタンフライにした、という話と同じです。
先日2月15日のブログに対するコメントで〝ドクターズカフ〟の話題に触れましたが、
ディーテールには全て理由があるんですよね。
明日の土曜日は研修のため、臨時休業とさせて頂きます。
勝手させて頂きます、ごめんなさい。
この秋冬は、色んなスタイルのスーツをご注文頂きました。
従来のクラシコスタイルが30%、
フレアー袖&フレアーパンツなどの’70年代を意識したシルエットが30%
そして全体に細身で、ナローラペルのS2Bスタイルに、
当然パンツも膝下ストレートなシルエットです。
そして残りの10%は、これらのどのスタイルにも属さない独創的なスタイルです。
写真を取る時間がなく、ホームページ〝商品紹介〟の更新が出来なかったのですが、
僕的には、色々なスーツが創れて、楽しいシーズンとなりました。
マーケットリサーチやサンプル作成に費やす時間が結構かかるので大変ですが、
それはそれで、かなり楽しいです♪
着手側の希望なら、どんな要望にも応えたいという基本スタンスの下、
今シーズンの春夏も僕なりに勉強して、皆様のご要望にお応え出来るよう努力します。
そんなこんなで、今週末に生地の入れ替えをします。
生地のトレンドで云えば、大きな流れでは今年も英国寄りですが、
自分流儀だからこそ意味のあるオーダーの世界では、そんな事はどうでもよくて(笑)、
どんなご注文が頂けるのか、楽しみです♪
それより、dainojiさーん!
今夜はboits、お疲れさまでした!
遠路、運転(凍結!?)にはくれぐれも気をつけて!!
それにしても今夜は(も!)楽しいお酒でしたね♪
ベネチアで見つけた、3プライコットンを使ったへヴィーウェイトなチノパン。
どんな表情に変わっていくのか、楽しみです。
日本では、なかなか出会えない色ですが、
イタリアではオヤジ連中が好んで穿く、実に落ち着いた色合いです。
僕なら紺ジャケにリボンベルトをして、
昔から大好きな、イタリアン・プレッピースタイルで着たいですね。
素材も特徴的ですが、歩いてみると勝手に足が前に出る、
そんな不思議な履き心地です。
素材&パターン共に、研究素材としても非常に価値のある1本です。
オーダーって体に服を合わせるって発想ですよね。
でも、オーダーだって服に体を合わせる場合だってあるんですよ。
僕が考えるオーダーって、そうなんですよね♪
如何に着る人が素敵に見えるか、、
体に合わせる部分と服に合わせる部分とのバランスです。
画像は、Yさんのご希望に合わせたシルエット調整についてです。
上の画像がYさんの体に合わせたシルエットです。
下の画像が体を無視してシルエットを最優先(服に体を合わせる)したものです。
ハンガーのようにイカツク、肩の張った服ではなく、
下の画像のように、あくまで甘くメローな雰囲気に(笑)。
その代わり、この服はフィッティングを基準に考えると無理が出る服でもあります。
でも、、そこはYさんの雰囲気でカバーなんですよね♪
これ4年前に英国で買った、僕の2着目のバブアです。
1着目は20年近く前のモノですが、それでもまだオイル臭いです。
この2着目は完全な街着として着ているので、近所迷惑にならないように?
オイルメンテナンスをしてませんから表面はカスカスです(笑)。
要するに、バブア本来の機能を発揮しません。
今日ウールエキスポの生地でチェスターフィールドコートをご注文下さったKさんから、
「普段着で何か洒落っ気のあるコートないか?」とご質問があったので、
僕が今日着ていたこのバブアをお勧めしました。
風も通さないし、少々の雨でも問題なし(笑)。
だってそのオリジンは、、フィールドジャケットですから。
それも英国王室のロイヤルワラントが3つも付いているんですよ。
でもコレ着て運動すると、熱が中にこもって下着までビショビショに!?
それって、もしかして僕だけですか?(苦笑)
それにしても意外や意外、、
スーツの上に着ても〝サマ〟になるんですよねー
お客様のご希望で切り替えた上襟です。
通常マッセアトゥーラでは、上襟は剥がずに1枚で仕立てています。
剥ぎを入れない方が見た目には綺麗なのですが、
そうすると生地の特性上、戻ろう戻ろうとする力が強く働くので、
湿度が下がって空気が乾燥してくると、ラペルのロールは甘くなりがちです。
このライトグレーフランネルをご希望されたOさんは
ボタン位置の高い3Bをご希望されましたので、甘く返ってしまって
Vゾーンが深くなってしまう事を防ぐ為に、上襟を剥ぐ事を提案させて頂きました。
生地の特性からすると恐らく問題はないと思われたのですが、
究極の選択?で、起こりえる可能性を伝えた上で、ご判断頂きました。
今日届いた2着のWoolフランネルのスーツ。
個人的には、フラノのその優し気な表情が大好きなのですが、
ロンドンマーチャントのマネージャーが、「最近フラノの売り上げが世界的に低迷している」
と云っていた記憶が、既に5年以上過去のものとなりました。
空調設備の充実で、目にするスーツは10Monthsスーツなる
通年着用可という薄手の生地を選ぶ人が多い中で、
こんなフラノ地で仕立てたスーツは
さり気なく目立ちます。
ウォームビズが話題になっている今、
もしかしたら、ソフトな肌触りで暖かい、こんなフラノのスーツが
復活するかもしれませんね!
ビジネスシーンでは、たとえ間違っても
ジャケットの下にWoolのニットベストなんて着て欲しくないですよね。
それだったら、ウォームビズを言い訳にした〝単なる手抜き〟だと僕は思うから、、、