シングル巾(ハンドウィーヴィング)のハリスツイードで仕立てたセミチェスターコートです。
見た目に重厚感があり、いかにも重そうな着用感を想像しますが、
実際に着てみると、その感覚は一瞬にして消え、
そのギャップに驚かされます。
こんなクラシックでカントリーライクな生地を、
ウエストのシェイプされたグラマラスなスタイルにすると、
不良(ワル)っぽさが出ていい感じに思えるのですが、どうでしょうか?
こんな生地で、カントリータッチにしてしまうと、ある意味〝トゥーマッチ〟な印象に。。
このコートはYさんと、そんなイメージを語らいながら生まれてきたコートです。
※画像は、ジャケットとベストを着て頂いてからの、ご着用状態です。
ヴィンテージ生地を使うので、要尺がギリギリです。
シーチングで我慢してもらう代わりに、着丈は限界まで採れます!
ラペルの返り、もう少し甘くして、、前身も逃がしますね。
ごめんなさい、これ2週間くらい前のYさんの仮縫い風景です。
撮り貯めた画像、、どうしよう!ってか、
撮り忘れも多い。。(汗)
Sさんのチェスターフィールドコート。
このコートは、コートの中で最もドレッシーな存在でありながら、
どんな場にも溶け込むだけのキャパも備えています。
とは云うものの、今年ご注文下さる皆さまは、
普段はラベンハムなどを着られていますが、ここぞという時の為のようです。
コートもTPOをわきまえて使い分けをする、、
贅沢なようですが、良いものを永く使うための秘訣でもあります。
年明けの出張の為に、自分用に仕立てたコートです。
コートの代わりに、今までバーブァーのビデイルを着て行っていたのですが、
「少しくらいは、お洒落していかんとなぁ~」という気持ちから。(爆)
とはいうものの、最優先事項はデザインではなく、
ビデイルと同じ〝収納機能〟です。
ジャケット+12cmの着丈は中途半端のようですが、
背の低い僕には、ギリギリのラインです。
ハンドウォーマーを兼ねるバスト下の縦型箱ポケットは、
変なところに付いているようですが、ビデイルと同じ位置にしてあるんですよ。
ポケットの中は、綿のシャモアクロスを張っているので暖かいです♪
バックベルトも、高い位置に設定する事で、
足の短い僕でも、ごま、、かせ、、、ると良いのですが。(爆)
裏地はALLキュプラ素材に、住友スリーエムの『ジェネサーモNEO』の40gmを
1インチ巾のストライプでキルト加工してあるので、
汗かき、寒がりの僕にはピッタリです♪
Oさんのシングルチェスターフィールドコートです。
ボタンの隠れた、この地味な佇まいを、Oさんは狙われたのです。
偉そうじゃない、シンプルで上質なコート。
かといって、気にせずにガンガン着れるようにと、
あえてカシミア100%ではなく、カシミア混で上質な素材を、、
そして選ばれた素材は、
英国八ダースフィールドにある名門、スコフィールド&スミスのものです。
腰のスランティッドポケットの角度、位置、そして、
チェンジポケットとの間隔、バランスも全て指定されています。
それにしても、静かな佇まいと云えど、
シルエット的には、かなりインパクトありませんか?(爆)
余談ですが、、
そんなOさんから頂いた裏情報?です。
来年の3月に、六本木に東京ミッドタウンという新名所?がオープンするそうです。
都庁を抜いて、都内で一番高いビルになるそうです。
リッツカールトンも入るらしいですよ。
そんなビルに、Oさんの会社も移転予定とかで入手できた裏情報でしょうか、
何と!ナポリのマリネッラが入るそうなんです。
マリネッラ情報は、過去のダイアリーをご覧になって下さい。
Kさんからご注文頂いたチェスターフィールドコートです。
シングル3つボタンの比翼仕立てで、襟はピーク。
胸のバルカポケットの巾を5mm広く、
そして5mm下に移動し、打ち合い側に5mmずらしてやります。
腰ポケットのスラント量も、勾配を5mm強くします。
シルエット的には、Kさんから、
今の流行のようにウエストを絞り過ぎないように、とご希望頂いてましたが、
それにしても少し絞り足りませんでしたので、もう少し絞る事になりました。(苦笑)
糸を解いて、躾け糸を打ったりピンで留めたり、、
ごちゃごちゃと打ち合わせをしながら、気が付けばあっという間の90分。
こんな時間が楽しいんですよね♪
生地も、近くで見るばかりか、離れて見たり店外で見て頂いたり、、
バンチで見た時のイメージ通りで気に入って頂けて、僕もとても嬉しいです。
ヴィンテージ好きの、Iさん。
今回はハリスツイードのヴィンテージです。(笑)
かなりヘヴィーウェイトで、当然ながら最近ではほとんど見かけません。
デザインはチェスターフィールドを基本としていますが、
ウエストのウェルトポケットを、斜めのボックスポケットにしたり、
フロントの打ち合いも比翼にしなかったりと、
そのタイトなシルエットと共に、スポーツ感を漂わせました。
バックスタイルにもスポーティー感を演出♪
通常より高い位置にバックベルトを付けて、センタースリットも深く取り、
脚長スタイルに貢献しています。
かなりミニマルタイトなシルエットですが、
生地の、その柔らかな存在感と合わさって、逆に、
それが、凄く愛着感の湧くコートに見えるなぁって思いませんか♪
ウールエキスポのビキャッシュで仕立てられる2着のコート。
デザインはチェスターフィールドと呼ばれる
正礼装で使われるコートです。
簡単に云うと、シングルのジャケットの着丈だけを長くしたデザインです。
唯一違うのは打ち合いが〝比翼仕立〟といって
ボタンを留めると、ボタンが隠れるようになっている事です。
それ以外は着丈を短く切ってしまえば、まさにシングルのジャケット。
正式には上襟にベルベットを張るのですが、今回のお2人は張られませんでした。
いきさつを話し出すと長くなるので、またの機会に(笑)、、
ゆったりしたシルエットの多いチェスターフィールドですが、
オーダーならでは、ウエストシェイプの効いたシェイプドシルエットに仕立てませんか?
三重のYさんからご注文頂いた、このCottonコート
実はジルサンダーが昨年のコレクションで
使ったCottonと同じ生地なんです。
朱子織(サテン)と呼ばれる生地で光沢があって、
ビッカンビカンに光り輝いてます。
昨年カシミアのコートをお仕立て頂いているのですが、
「カシミアは着られる期間が短い」と云う理由で
間物コートとしてお創り頂きました。
スーツばかりか、コートにも〝間物〟はあります。
先日〝消える、間物?〟というタイトルでダイアリーを
書きましたが、洒落物はこうして健在です(笑)。