Tさんのコートの仮縫いです。
実際の生地で仮縫いをするとイメージが増します。
それでもまだまだ、完成形をイメージする事は難しい事だと思います。
襟の開き具合をご確認頂いて、釦の位置を決めたり、襟の雰囲気を感じて頂いたり、、
左右の袖の振りが、若干違っているようです。
ただ、どこまで合わせるか、少々違うことも味わいだったり。。
フィッティングばかりか、ラインのクオリティーを意識し、イメージまで大切に。
シルエット全体からウエストの絞りの位置を35mmだけ上に移動させ、
ベルトの巾や長さは、これでバランスが取れています。
もう少しだけ補正を加える必要はあるものの、完成が楽しみです。
今朝、店を開ける前に職人さんの所に伺ってきました。
いつも写真は嫌がられるのですが、今日は新聞の取材でしたので、
顔出し厳禁!という条件付きで、数枚のみ、撮影の許可を頂く事が出来ました。(汗)
今まで何度頼んでも断られ続けたのに(汗)、でも、、こうして初めて、
マッセアトゥーラのシャツが縫われる現場を紹介させてもらえて嬉しいですね。
裁断前に、僕の方で湯のしをし、
それから、この道50年のMM裁断士によって、
1人1人起こした型紙に合わせ、包丁で丁寧に裁断されます。
使い込まれた包丁、、と思いきや、
この『スルメ』と呼ばれる剣先包丁は毎朝キチンと研がれ、
3年ほどで、こんなに小さくなってしまいます。
裁断された生地は、職人さんの手元に届けられ、
こんどもまた、この道50年のMSさんの手によって丸縫いされます。
MSさんの奥様が、襟に芯を沿わしたり、『下張り』を担当されます。
MM裁断士とMSさんは、パートナーを組まれて47年目。
阿吽の呼吸でシャツが出来上がります。
この職人世界にスポットをあてると最高に面白いのですが、
今日は、職場のご紹介だけに留めておきます。
これからも元気で作り続けて下さい。
そして、「教えるなんてワシにはでけへんで」なんて言わずに、
後継者への技術継承に、一肌でも二肌でも脱いで、益々頑張って下さいよ!
これからも宜しくお願いします。
Tさんからご注文頂いたのは、
シンプルで長く着られる黒いカシミアコートです。
先日、イメージの打ち合わせも終わって、今日はシーチング仮縫です。
イメージだけでは十分に伝わらなかった部分を、シーチングで実際の形にしてみました。
画像を撮り忘れたのですが、
襟型は、こちらではなく、もう1つ別のスタイルで、、
イメージが固まるまで何度か仮縫してチューニングしてゆきましょう!
と話していたのですが、この最初のシーチング仮縫でイメージを固めて頂けたようで、
次回は実際の生地で仮縫をする所まで進める事になりました。
ウエストの絞りと、裾まわりのフレアー感については、
「若すぎでも派手でもなく、自分らしく~いつまでも着続けられそうですね。」
そんなイメージが、ご自身の将来のイメージと重ね合わさって、
このスタイルに決まったんだと思います。
次回の仮縫いでは、フィッティングの微調整を済ませ、
さらに良い状態でご確認頂けますので、楽しみにしてて下さいね!
今日は、Aさんのナポリクチュールの仮縫い風景です。
極細の繊維を使った4プライの太番手の糸をドブクロスで織り上げた生地は、
裁断士さんから、「素晴らしい生地にハサミを入れさせてもらえた!」とコメントを頂いた程です。
8ミリ程度、肩先を割ってユトリを加えて、縫い直してみたところです。
お爺ちゃんから譲り受けた、何となくドン臭くて懐かしい、、
そんなイメージのスーツ、、僕も楽しみです♪
ほんと、出来上がりが楽しみですね。
それと、、せっかくの画像を取り忘れたのですが、
着心地改造計画でご興味をお持ち頂き、
お修理のご依頼を頂いていたジャケットも気に入って頂き、
更にもう1着ご依頼を頂きましたが、今回は微妙に路線を変えての
チューンナップを試みます。新たな提案に賭けて頂きありがとうございます!
期待を裏切らないように、ベストを尽くします! というか、必ず結果を出しますので!!
宝石のように輝く、ウェービングカシミア。
表面が、ウロコ状(波型に表面加工されたもの)に加工されています。
年末にサイズオーダーしていたものが、やっと届きました。
この素材を見ると、「普段見かける高級マフラーも同じカシミア?」です。
これぞカシミアの真骨頂です。恐らく、いや確実に、、他のマフラーは巻けなくなるでしょう。
最初は期待値以下の着用感でしたが(汗)、
ガンガン穿き込んでいくにつれ、驚くほど馴染んできました。
ホールド感に優れたウエスト~ヒップに加え、脚が前に出るという不思議な感覚。
ス・ミズーラで、股上を骨盤の深さに合わせてもらったので尚更です。
そして脚部のフィット感は、どこか一ヶ所にテンションがかかる、、
そんな感じではなくて、全体にホールド性を感じる、
という感覚が、実に心地がいいのです。
ヒップの収まりも綺麗で、見た目にもとてもセクシーです♪
ポケットの袋地と、シーム(股下部分の外と内側の縫い線)以外、
全て手縫いで処理されており、最初に穿いた時より、穿き続けていくうちに、
皮膚感覚に馴染み、そのちょっとした縫いの甘さが、実に快適な着用感を生むようです。
この感覚は、まさに手縫い洋服の特長そのものです。
ヒップ周りの型紙も特徴的で、その着用感に寄与しているようですね。
ミシンで縫い上げると、糸のテンションで、生きている生地の動きを押さえこんでしまいます。
特にヒップの縫い線は顕著に差が現れ、太目の糸で甘く返し縫いすることで、
柔らかさと強度(耐久性)を、絶妙に両立させています。
それと、裁断にも驚きの工夫があります!
これは、マッセアトゥーラ立ち上げ当初から商品紹介のところでも紹介しているように、
上着の縫い目の総ステッチ(片倒し)は、単なる装飾ではなく、
本来は意味があるもの、それと同義ですね。
ただ片倒しに意味があるといっても、そこはナポリ製。
過剰なまでのハンドステッチや閂が、好き嫌いの分かれるところで、
見慣れた方じゃなかったら、汚い?というか、僕はその泥臭さが好きだったりしますが。
ただし僕ならオンじゃなく、TPOは、あくまで普段穿き(オフ)として着用します。
このパンツについては、どんな言葉で飾り立てるより、
実際に体感してもらう事が何より勝ります。
..Wearing is believing !
打ち合わせ2回、仮縫い2回を経て、ようやく完成しました。
Kさん、長らくお待たせして申し訳ありません。
パイプは、僕の私物です。
Kさんが選ばれた革は、伊バタラッシー社のナッパレザーです。
バタラッシー社の専売特許のような、古来から伝わるバケッタ製法で作られたうえに、
最後に特別な表面加工(卵の白身を使って独特の光沢を出す)が施された、
肉感のある、しなやかな革です。
通常だと、塗料なんかで光沢を出すのですが、
この方法だと、最初は鈍い光り方(地光沢)なのですが、
使い込むうちに、光沢が剥がれるのではなく、使い艶が出てきます。
出来栄えも、Bellagoのフルオーダーは、かなり質感が高い!
コバの仕上げは工業品ではなく、工芸品レベルです。
超一流のブランド品と並べてみても、完全に頭1つ抜けた仕上がりです。
細部にまで気を配られた造りは、味が出る前に壊れる、なんてことは考えられません。
もしも起こるとすれば、革が破れる時でしょう。
パイプを収めて、開いた状態が最も綺麗に見えるように、、
あくまでパイプが主役であって、バッグはパイプの引き立て役に過ぎません。
スーツと同じですね。
スーツが目立ってしまうのではなく、
スーツは着る人を引き立てる為のツールに過ぎません。
とは言うものの、持ち運ぶ状態も、とても綺麗だと思うのですが、どうでしょう?
収納するパイプによってインナーを交換できるように、
ベロクロテープの固定式にしました。
Kさんのイメージは、どこまで形になったでしょうか。
Kさん、どうもお疲れ様でした。 そして、ベラゴの牛尾龍さん、
Kさんの想いを、ここまで昇華させて下さり、本当にありがとうございます!
パーティーシーズン真っ盛りですが、
Tさんのベルベットスーツも、何とか間に合いました!
6×3のダブルブレストは、ボタン同士の間隔を、スッキリ縦長に見せています。
昨日のお渡しでしたので、表通り(4車線!)の車も少なく、久々に外で!
近くで見ると、こんなストライプ柄です。
ベルベットの柄って、どうやって出すかご存知ですか?(笑)
結構ブリリアントに写りますね。ボタンの色が浮いてますが実際は馴染んでます!
室内だとこの通り、実に落ち着いた表情を取り戻します。
ベルベットって、、僕はやっぱり大好きです♪
いつも個性的過ぎるほどのスーツやジャケットばかりご注文下さる東京のTさん。
(僕がお勧めしてきたのですが、、笑)
今回は礼服のご注文だったのですが、ブラックボディーに
1cmピッチのラメのピンストライプ入りも最初ご検討されていました。
が、出来上がったのがこのスーツ。
拝絹を使わない、タキシードStyleにしてみました。
生地もマットなヘリンボーンにして、少しだけ個性的にしました。
この程度なら、奥さまからの〝熱い非難〟も、サラリとかわせると思います。(笑)
超極細の糸を使った、シルキーなコットンサテンのコートです。
ビッカビカに光沢があるので、黒ですが、この通り光を反射して明るく見えます。
おまけに、ダブルハンドステッチ仕様で、特異な存在感をアピールしています。(笑)
デザインは普通のセミチェスタースタイルですが、
ウエストは、型紙をギュッと絞って、飾りでバックベルトを付けました。
一方、先日ご紹介させて頂きましたコートは、型紙では絞らずに、ベルトで絞ってあります。
袖は過去最強レベル!のフレア袖。
それに、ボタンもイタリア製のビッカビカ練りボタンで、
全体イメージを、メタリッキーでマトリックスなイメージを強調しました。
こんな個性的なコート、Oさんだからこそ、大人の色気で着こなせるスタイル、、ですね!