前回ご紹介のNさんに引き続き、今日も還暦を迎えられるMさんのスーツです。
もう5年に渡ってお付き合い下さっているMさんが選ばれる生地は、
いつも個性的な色柄が多くて、今回の色も珍しいです。
スコフィールド&スミスと云えば、「なるほど~」って感じですね。(笑)


実際には赤紫色ですが、モニターによっては
青っぽく見えるかもしれませんね。
僕もこんな色、初めてです。

あっ!ちなみに、Mさん、今日はコンポラッぽい出で立ちでした。
ネクタイも、超ナローな型押しレザータイです。
なので、ご試着のスーツとの組み合わせは変です♪(笑)
撮影ご協力ありがとうございました!



かれこれ4年のお付き合いになるTさんですが、
「着込んで味わい深くなるような洋服が作ってみたいんです。」と、
今日は従来のビスポクチュールではなく、ハンドクチュールでご注文を頂きました。

生地も、着た瞬間から馴染むイタリアの生地ではなく、
経糸(縦の糸)と緯糸(横の糸)が共に双糸で織り上げられた、
着るほどに馴染んでくる、打ち込みのしっかりとした英国生地を選ばれました。

慣れてない方が、パッと見れば同じように見える洋服でも、
ハンドの割合が多くなればなるほど、着込んだ時にその差は歴然となります。
乱暴な言い方をすると、鍍金か無垢かの違いです。

今までのスタイルを踏襲しながらも、改めて採寸させて頂きました。


ちなみに、ハンドクチュールは仮縫が必要となります。
ビスポクチュールは仮縫なしで、仮縫に相当するフィッティングが可能ですが、
ハンドクチュールの場合は、そのシステムが確立できていないために仮縫をお願いしています。





この梅色ストライプの生地を見て、とても春を感じました。(笑)


春とは云うものの、
実際には合物の生地ですので、
スリーピースで、オールシーズン対応されます。


ちなみにMさんは、このベストで10着目くらいになりますが、
シルエットは完成しているものの、ポケットの仕様など、毎回デザインが変わります。
胸ポケットの有無、ウエストポケットの形状、フラップの有無や個数など、、
*このベスト、かなりミニマムタイトなシルエットですから、
トルソーに着せると、釦がとまりません。(笑)

ベストにつきましては、ポケットを含めたそのデザイン、
ジャケットより遥かに組み合わせが豊富な分だけ迷いますよね、、
それにこのベスト、ボタンの数が通常よりも多いことに気付かれたでしょうか?(笑)
それに、、前丈と後丈の落差が個性的です♪



Fさんは、ビシッとしたラインの、ホールド感溢れる、ゴリゴリの英国生地がお好きです。
今回の生地もドーメルのヴィンテージ『AUGUSTE』、モヘア混3PLYです。
色も、とても鮮やかな青(≠紺)で気に入って頂きました。
少しずつ馴染ませて、いい表情に育てて下さい!
あっ!ボタンも水牛ではなく、ガレッシのブルーを使ってますので、
日本離れした?キワド~イ配色、、となっています。(笑)





このパンツ、Kさんがプレタで購入されたハイモードのシルエットを踏襲しています。
当初のKさんのご希望はそのパンツと同じ、膝巾20cm裾巾22cmでした。
ビジネスでも膝巾22cm程度の細身を穿かれていますが、
20cmまでとなると型崩れが心配でした。
気になったので、お手持ちのパンツの素材を聞いたところ、
やはり化繊が混ざっていました。

バンチサンプルや、店の着分在庫を探しても化繊入りはなかったのですが、
ご希望のラインを気兼ねなく穿いて頂こうと探しましたよ~♪(笑)
その代わり?と言っては何ですが(笑)、
僕が以前からお勧めしていたサイドアジャスター仕様に乗って下さいました♪

Kさん、いつもありがとうございます。
もう、かれこれ8年以上のお付き合いをさせて頂いてます。
次回の東京展示会の際、是非着て来て下さいね。






この画像は、Kさんのシャツ地の裁断後の状態ですが、
Kさんのご希望で、肘から手首にかけて5mm(周りで1cm)広げます。
こんな微調整の繰り返しでクオリティが高まってゆくんですね。
シャツ地がブルーで、型紙が白い方です。(笑)





今までずっと、純英国産のシャツ地〝acorn〟からお選び頂いてたIさんですが、
今日、ナポリのカチョッポリのシャツ地を見て頂いたところ、
I さん、かなり気に入って頂けたご様子です。
acornのシャツ地の色柄にハマる方も多いですが、事実カチョッポリの発色はそれ以上!
acornの英国らしい、張り感の強い素材感を優先されなければ、
カチョッポリの方が、マーチャントだけあって、色柄のバリエーションは豊富です。


突然ですが、acornのシャツ地が昨冬に引き続き、値上がりしました。
お知らせが遅くなってしまいましたので、
2月9日迄のご注文に限りまして、価格据置にて承ります。

それにしても、1985年のプラザ合意後の円高で輸入品の価格が低下し、
それまで高嶺の花だったインポート商品の価格が、
一気に手の届く範囲まで下がりました。
しかし、最近の原油の高騰やユーロ高のお陰で、、いや、
そんな事は僕が言うまでもなく、皆さまご存知の事でしたね。(苦笑)

ここへきて、インポート品に手が届かない!
なんて事になったら、、考えただけで、ストレス溜まりそうです。
一括仕入れなどで仕入れコストを落とすなど、何とか努力しなければなりません。



ワインに産地があるように、
コットンにもたくさんの産地があります。
産地ごとにクオリティーも違い、長繊維、超長繊維が高品質とされます。

コットンの中でも、最もクオリティーが高いものは
カリブ海の島々で栽培されるシーアイランドコットン(海島綿)ですが、
そのシーアイランドコットンに次いで最上級とされているのが、
エジプトのカイロの近く、3大ピラミッドで知られるナイル川流域のギザ地区で穫れる、
今日のタイトルである、ギザ(GIZA)コットンです。

クオリティ分けがないシーアイランドコットンに対し、
ギザコットンには、ギザ45、70、77、88などの銘柄(クオリティ)があり、
その中で最も繊維長が長いギザ45が、シーアイランドコットンに匹敵する繊維長を誇ります。

ただ、そのクオリティは、
まるでワインのように収穫年度によって品質にバラつきがあり、
毎年同じクオリティとは限らないようです。

ギザの後の数字は、スーパー120′Sのような品質を表す数字ではなく、
ワインで云う銘柄のようなものらしく、その数が少ないほうが高品質とも取れますが、
クオリティーによって数字が逆転してるものもあるようです。

シャツ地のメーカーさんと、そんな話をウダウダしながら辿り着いた答え?は、
特に意味のない単なる数字じゃないかな?という程度でした。(笑)
詳しい事が分かれば、改めてお伝えします。
それより先に、ご存知の方がいらっしゃれば教えて下さい。

ちなみにマッセアトゥーラの型紙付きフルオーダーシャツに使うギザコットンは、
140番/2PLYはギザ45、100番/2PLYは70です。
洗うほどにしなやかになるのですが、不思議とヘタリません。
是非とも素肌で愉しんで下さいね。



4年のお付き合いになるNさんのスーツ、今回の生地も半ばお任せ状態で選ばせて頂き、
スタイルはいつもと同じですが、それ以外の仕様も全てお任せ下さいます。
裏地は、寒色系の生地と大きくコントラストをつけることなく、
暖色系の優しい色合いを選ばせて頂きました。
袖裏は若干明るい色に、グラデーションをつけました。
裏地選びも密やかな愉しみです。(笑)






クチュールによる違い、、今日もご質問を頂きました。
ラインは、どれも注文者と僕で決めるもの。
なのでパッと見た目には、どのクチュールも注文者が同じなら、
同じようなシルエットになります。

では、どこが違うのか?
例えば音楽を例に考えてみるなら、、
コンパクトディスクで聴くのかレコードなのか、、
レコードでも、真空管アンプで聴く場合とそうでない場合があります。

耳が慣れていないと聞き分けられないかもしれません。
でも、分かる人には分かるんですよね、この差!
良いか悪いかではなく、好きか嫌いか。

CDを知らないと、レコードとの違いが分からないし、
レコードを知らないと、CDとの違いも分かりません。

マッキントッシュの真空管アンプとデジタルアンプの違い、、
同じ音楽でも聞こえ方が全く異なります。
そんな感じでしょうか。(笑)



詳しくは、直接お問い合わせ下さいませ